秋の気まぐれ旅その3 尾瀬 2

 2009年9月27日(日)、尾瀬散策の続きです。

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尾瀬湿原は真ん中あたりと、周辺の川が流れる部分とは土壌が全く違うので、川の周辺には白樺などの木も生え、ミズバショウもあるのですが、真ん中の湿原はPH4くらいのレモンに匹敵するような酸性土壌で木も生えないとのこと、

d0031853_425172.jpgところどころにある池塘(ちとう)は、雨水がたまったもので、川より水位が高く、中に浮かぶ浮島は泥炭のメタンガスがたまってそこの泥炭が浮き出たもの、厚さ30cmになるまでには400年かかっているそうです。この泥炭というのは、年平均気温が4.5℃という尾瀬では4mの厚さに体積していて、その厚さになるまでに約7000年かかっているとのこと。

d0031853_4283017.jpg水面にはヒツジグサが一面に睡蓮のような平らな葉を浮かべていました。

d0031853_4302113.jpg所々に咲いていた紫の花はエゾリンドウ、北のほうの植物だとわかる名前。もう枯れていましたが、一面モウセンゴケという場所もあり、昆虫も多いそうです。湿原にはトンボも種類が多く、下のほうの片品村には赤とんぼやシオカラトンボがたまにいるくらいなのに、34種もいるそうです。

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途中の池瑭の一つに、それまであったヒツジグサとよく似ていて少し大きめの葉が浮かんでいましたが、それは氷河時代の遺産といわれているオゼコウホネだそうでした。

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行く手背後は至仏山(しぶつさん)は標高の下半分くらいまでは酸性土壌で花崗岩、中ほどから上は強いアルカリ性土壌で蛇紋岩という変わった岩石で、木も生えてなく、登山は尾根道で吹きさらしだそうです。このあたりの山では特殊な地質だそうです。

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正面には燧ヶ岳(ひうちがだけ)、東北地方の入り口、福島県の山で、北海道・東北地方では一番高い山だそうです。こちらは山の頂上まで木が生えているそうです。雲でかすんでいて残念。

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池とうのうち1箇所だけなぜかヒツジグサの生えていないものがあり、水面が静かだとここに燧ヶ岳の影が映るそうです。
体力を考えてそこらあたりで引き返しましたが、尾瀬の風景は入り口と奥でさほど変わらないとのことでした。

d0031853_4481128.jpgトイレ休憩した山の鼻からは見本園として丸いコースがあり、そこも色々あって楽しいと、ショートコースを案内されました。

d0031853_4511460.jpgミズバショウの群落があり、花が中央の湿原よりやせた土地なので小さいけれど一面に生えていてそれはきれいで、その跡にくるのがあやめの仲間、そのあとにニッコウキスゲの花だそうで、時期時期で全く違う花が一面咲いているそうで、尾瀬のリピーターが多い理由なのでしょう。この山の鼻からの見本園のほうには観光客がなぜかほとんど来ないので穴場かもしれないとのこと。

d0031853_4515779.jpg皆さん湿原の広いところを目指されるけれど、ここにも尾瀬の植物と変わらないものが生えているので手っ取り早く尾瀬がわかる場所だとのことでした。牛首までの道では咲いていなかったウメバチソウが、ここでは咲いていました。初夏には可憐な花を咲かせるミズバショウですが、その花の芯の部分がとうもろこしのような実をつけると、熊の好物なので熊が来て食べ散らかすそうで、いたるところ熊の食べたあとが見られました。また、見本園では、鹿の足跡や食害のあとも見られ、日光で増えすぎた鹿が、本来鹿がいなかった尾瀬にやってきて食い荒らすので困っているそうでした。
詳しいガイドのおかげで大変楽しい尾瀬散策となりました。

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d0031853_4553962.jpg山の鼻の山小屋を去ろうとするとき、「花まめジェラート、食べてみましたか?」といわれ、せっかくなので、500円で買って食べました。私はその紫花豆を蒜山高原で買ったことがあったのですが、千明さんによると、平地では花が咲いても実がならないそうで、この片品村の特産品で、その豆を利用した名物だそうです。平成20年7月20日(日)には1日売り上げ数が1,163個を達成したそうですが、用意したものが足りなくなって急いで人の手で運び上げたそうです。

d0031853_4571021.jpg最後の上り坂で、見上げるような高さの背負い子を背負って帰って行く若者たちに先を譲りました。山小屋に荷運びをする人たちで、ヘリで荷運びするにも彼らの仕事が毎日あるようにと残しているのだそうで、食料品や生活物資を運び上げ、生ゴミまで含めたものを運び下ろす彼らの仕事なしには山小屋は成り立たないそうでした。売店の品が少々値段が張るのも当たり前ですね。

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山の鼻からの帰りの登り、ここの川沿いの景色と紅葉の見事だったこと。

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同じ枝なのに緑からいきなり赤に紅葉したこのコントラストのきれいだったこと。

d0031853_512757.jpg私が昔話「こぶとりじいさん」の木のほこらみたい、というと、かつてこの空間には古い切り株があり、運よくその上に落ちた種が、切り株の上で芽吹き、切り株を覆うように根を張って大きくなり、その後切り株は朽ちてなくなったのだそうです。左にあるのは全く別の木が寄り添うように生えているのだそうです。たくさんの木の種も、ここでは地面に落ちたものはすべて腐ってしまうけれど、このように落ちた場所がよいものだけが生き残るとのこと。

d0031853_683811.jpg上り坂の途中、10人くらいのグループの中の10代くらいと思われる若者が足を痛めた様子でへたりこんでいて「山を甘く見ていたなあ」、グループの人が困って取り囲んでいたのを見たり、湿原の木道で70代後半かと思われる男性が平衡感覚を失った様子でよろよろと手を引かれて帰っていくのを見たり、若い女の子が素足に細いヒールのミュールを履いているのを見かけましたが、千明さんが「捻挫すると周りの人に迷惑をかけるのに」といっておられたことが思い出され、標高1,400mの「尾瀬は山だ」ということ、1に体力、2に装備、3に知識が必要、ということがよくわかりました。

d0031853_69291.jpg鳩待峠に無事帰着しました。4時前くらいで、気温が下がったためか霧が出ていました。
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by kurashiki-keiko | 2009-10-03 05:05 | | Comments(0)

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