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秋葉原の事件の犯人の生い立ちから思う

秋葉原の無差別殺傷事件の犯人の供述の要旨を地元紙で読みました。
 その中で生い立ちについて述べています。「何か伝えたい時に、言葉で伝えるのではなく、行動で示して周りにわかってもらおうとする。母親からの育てられ方が影響していると思う。」
今の子供たちはコミニュケーション能力が不足しているといわれています。「ご飯」・・・「ご飯がどうしたの?」と、ちゃんと語尾まで言わせるように仕向けることが大切だといわれていますが、言葉がなくても親が察知してきた結果がこのような大人にしたのでしょう。
 「私は食べるのが遅かったが、母親に新聞のチラシを床に敷き、その上に食べ物をひっくり返され、食べろと言われた。小学校中学年くらいの時、何度も。屈辱的だった。」 ・・・お母さんは、もしかしたら私と同世代かもしれません。息子の何にいらだっていたのでしょう。息子の人格を考えてほしかった。
 「無理矢理勉強させられていた。小学校低学年から『北海道大学工学部に行くように』と言われた。そのため青森高に行くのが当たり前という感じだったが、車関係の仕事をしたいと思っていた。」そして親子喧嘩、母親を成り行きで殴ったことも。大学進学をやめ、自動車関係の短大へ。しかし奨学金を父親が使ったのでアピールのために整備士の資格を取らなかったとのこと。
 そして派遣社員の道へ、転々と。
せめてこの奨学金使い込みの件で父親と言葉のやり取りがあり、整備士の資格を取っていたら、その後の派遣社員転々とという人生はなかったかもしれません。
 その後自殺を思いつつ実家に帰ると母は「よく帰ってきたね」「ごめんね」と幼少の頃のことを謝られハグされたとのこと。そして単身赴任から週末帰ってきた父親に大学へ行かなかったこと、資格を取らなかったことなどを「バカでごめんね」といい、話の出来る普通の家族にしたいと思った矢先、父は離婚を切り出したとのこと。もう一度家族のやり直しをしたかったのに。
 この家族には対話というものが成り立っていなかったように感じました。
 「ゆっくり」の子供はどこにでもいます。実はうちの長男も、ほかの子と比べるととてもゆっくりした子でした。幼児生活団の運動会では、かけっこで帽子を落とすと、拾って砂を払ってかぶりなおし、ビリでゴール。小学1年生の担任には「ほかのお子さんが体操服に着替えて廊下に出ているのにお宅の息子さんはまだ脱いでいます」と言われたことも。万事マイペース、すぐくたびれてふーっと休憩。そのたびに背中にある見えないねじを巻く動作をして「はい、ねじを巻いたから元気が出たよ」と励ましたり、色々と工夫をしながらの子育て。夫はお前は見ているだけで何もしていない、と言われましたが。
 親がその子のペースを知って、ゆったり構えて、見守ってやること、今子育て中のお母さんにはぜひ、人と比べずにそうしてあげてほしい、お子さんのペースでお話をしてほしい、と心から思います。

by kurashiki-keiko | 2010-07-28 09:02 | 新聞・テレビから思う | Comments(0)

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