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HIROSHIMA ヒロシマへ

 7月30日(土)朝9時過ぎに倉敷を出て、さて、どこへ行く?といつものようになった時、夫が「西」、(犬が西向きゃ・・・ではないけれど)というのでとりあえず県道を西へ。そのうち山陽道へ入り、「そうだ、広島へは毎年仕事で行くのにまだ平和公園や原爆ドームを見ていない」というので、時間も早かったので広島を目指すことになりました。

HIROSHIMA ヒロシマへ_d0031853_4522330.jpg11時半ごろだったので、見学の前にこちら、で腹ごしらえ。広島風お好み焼きです。インテリアは昭和レトロを目指していて、電気の笠なんかも三角錐ので、扇風機もわざわざそんなイメージのを使っていました。

HIROSHIMA ヒロシマへ_d0031853_4532458.jpg夫は『スペシャル」で¥1000、私は肉玉、そばで¥680。感想は、うーん、倉敷のふるいちのお好み焼きのほうがふんわりしてボリューム感があって、豚で450円、だし、鉄板のお皿で冷めないしいいなと思います。

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この前に立つとやはり厳粛なムードになります。夫が周囲を回ろうと言ったので、建物正面にも行ってみると、シンメトリーになっていてドームを挟んで両側に低い建物があったことがわかりましたが、角度的にこの場所からのが一番いいなと言うことで、やはりこの位置に説明板もありました。
 私は学生時代に広島出身の先輩の家に泊めていただいてこのあたりを見に来たことがありましたが、先輩曰く、昔の、補強工事がされる前の原爆ドームはひび割れなどもあってリアルでもっと迫力があったのだそうでした。

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元安橋のたもとにあった説明板です。
平和記念公園のあったあたりの昔の航空写真もあり、あの辺りは繁華街だったので1,720世帯、5,949人が住んでいたと推定されるそうです。その町が1発の原爆でごっそり無くなり、その跡地に作られたのがこの平和記念公園だそうです。

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横から見ると馬の鞍の形の記念碑の向こうには原爆ドーム。もうすぐ広島原爆の日。

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8月6日の祈念式典のためにテントの設営が始まっていました。この時間ちょっと小雨が降りました。資料館に向かいます。昔はなかった左手(東側)の別館?のほうが入口でした。

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驚いたのは入館料の安さ。あれだけの内容のある資料館なのに大人がたったの50円。広くたくさんの人に見てもらいたいという意図でしょう。300円で音声ガイドも借りました。吉永小百合さんの説明もところどころに入っているそうでした。
 資料館のなかはいくつかのエリアに分かれており、
①被ばくまでの広島
②原子爆弾 開発から広島への投下まで
③戦争・原爆と市民
④核時代
⑤平和への歩み
⑥1945年8月6日
⑦遺品は語る
⑧熱線による被害
⑨爆風による被害
⑩高熱火災による被害
⑪放射線による被害
⑫救援・救護活動
…となっていました。

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運命の8時15分、そのとき人々はふつう通りの1日を始めようとしていたはず。
ケースの中にはその時刻で止まっている腕時計。
その脇に、「フラッシュ撮影はご遠慮ください」とありました。・・・ということは?フラッシュでなければ撮影可、と言うことでしょう。広くこの光景を世界に発信してください、との意図が感じられました。

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向こう側は廃墟と化した広島の街の写真を見る外国の人。手前はそのジオラマ。

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爆心は原爆ドームの少し北西側、とは知っていましたがこの高さまでは初めて知りました。この球体に気付かない人も多いと思いました。

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この弁当箱は昔来た時にもあり、今回は吉永小百合さんの声の説明が入っていました。中学生がお昼に食べようと楽しみにしていた、粗末なおかずの入ったアルミの弁当箱。食べられることなく、中のご飯は真っ黒の炭になっていたそうです。物のないときに朝早く起きて作り子供に持たせたおかあさんがこれを見つけた時の気持ちが伝わってくる、小百合さんのやさしい声でした。

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これも、三輪車に乗っていた幼子が亡くなり、親が悲しみのあまり庭に埋めていたのを40年後の昭和60年に掘り起こして資料館に寄贈した、と言う話がニュースになった時に知っていましたので、実物を見たかったものでした。すっかりさびていましたが、親の気持ちがわかる品でした。

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人の被害に関してはあまりにもむごいので、じつは子供が小学校の時に映画会が学校であった時、子供たちは怖くて目をそらしたりして見ることが出来ない子も多くいました。
 こちらはその、人のやけどの程度を示す写真です。普通に私たちが見ることがあるのは1度(赤くなる)や2度(水ぶくれ)程度ですが、こちらの写真の人は5度。皮膚の表面が炭になるほどのひどいやけど。

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今は福島原発で放射能がまき散らされている時勢ですが、この場所ではハンドルを回して計測器を放射性物質に近づけて数値が上がっていくのを目で見ることが出来るという装置です。

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井伏鱒二の小説の題名にもなった「黒い雨」の跡が残る漆喰の壁面。広い範囲で黒い雨が降ったそうです。

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小学生の孫にもわかりやすく、とアニメ絵本をお土産にしました。
 資料館の入り口に近い展示コーナーで、若い母子が、燈火管制時のための側面が黒く塗られた電球を見ていて、親もよくわからないらしく何の説明もしてやっていなかったので、「爆弾を落とす目標にならないように電気を黒くしてあるのよ」と言って私が説明。そのあとで「もんぺ」が展示してあったのをお母さんは「ズボンよ」と言っただけでした。それでは子供たちに伝わらないなあと感じました。戦争に向かうためにそれまでの優雅な着物を仕立て替えてモンペにしなければならなかったという背景を。
 私自身は戦後に生まれていますが、親から話して聞かされた体験談を聞いて育った世代です。伝えなければいけないと思いました。先の大震災の時にも、古い伝承が役に立った地区もあると聞きます。災害や戦争の体験は体験者から伝わらなければまた過ちを繰り返すかもしれないと、思いました。

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公園の奥の方にはあの佐々木貞子さんの原爆の子の像が。かつて貞子さんの話を映画にした「千羽鶴」が倉敷の西中学校などでもロケがあり、ご近所のお子さんもエキストラで出演したことがありました。
2歳で被爆したものの、運動が得意でリレーの選手になるほど活発だった貞子さんが、6年生の時に白血病を発症、治療費が高いのを気にしつつの闘病、千羽鶴を折ると願いがかなうと聞いて、薬の包み紙などで千羽鶴を折っていくのだけれど、とうとう・・・その後同級生たちの奔走でこの像がつくられたのでした。

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平和祈念式典のためのテント張り工事が続いています。

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灯篭流しが行われる元安川の河畔はここかしら、と思いました。
広島の原爆記念日8月6日もあと1週間後です。今の子どもたちにも、この原爆のことをしっかりと伝えたり一緒に考えたりしたいものです。

by kurashiki-keiko | 2011-07-31 05:44 | しみじみしたこと | Comments(4)

Commented by ラベンダー(思い出) at 2011-08-01 08:52 x
10年前まだ孫の世話をしなくてもよい時、夫と二人で広島へ行きましたそのときの事が思い出されます。何度もKEIKOさんのブログ読み返しています。ありがとうございます。
Commented by pcvhirose at 2011-08-01 09:17
kurashiki-keikoさん今日は。
詳細な説明有難うございます。
ポイントが良く分かりました。
あの様な悲惨な出来事は二度と起こしたくないですね。
只、もっと上手な戦争の収め方が無かったのかと悔やまれます。
Commented by kurashiki-keiko at 2011-08-01 18:55
ラベンダー様、どうもありがとうございます。
私達もたまたま行けたのですが、ラベンダー様も同じく、
行けるときには行っておく、と言うものですね。
Commented by kurashiki-keiko at 2011-08-01 18:56
pcvhirose様、政治的な背景の部分は省いたのですが、
アメリカのその時の論理はいまだにアメリカで支持されているとか聞くと、
まずは広島に来て見て、と言いたいですね。
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