日野原重明先生が105才で天寿を全うされたそうですね。
先生の講演は岡山で2度聞くことが出来ました。たぶん80歳代と、90代の初め頃だったと思います。
いずれもオーバーヘッドプロジェクターを使いこなされ、縦横にステージを歩き回られ、まだそのころは御髪も黒々としていらして、今でいう後期高齢者とはとても信じがたいようなお元気さ、しかも講演の筋立てというかテーマもしっかりはっきりしていて、前向きで明るいのには感嘆しつつ拝聴させていただきました。
かつて90代の森光子さんに10年日記をプレゼントされたとか聞いたことがあります。当時の森光子さんはあの放浪記を何とかして続けたいと思っておられた時期で、そのためにスクワットだとかエアロバイクなどを日課にしていたようですが、日野原先生から10年日記をもらわれ、さらに先を目指すつもりになったのではないでしょうか。
医師の先生は、報道によると初めて民間病院で人間ドックを開設されたり、看護師含むチーム医療の重要性に着目されていたり、当時成人病と呼ばれていた病気を、生活習慣が原因だからと「習慣病」と名付けの親になられたとか。
また、改築の際に広々ともうけられた聖路加国際病院の広い玄関ロビーが、地下鉄サリン事件の患者さん640人もを受け入れられる野戦病院のようになったとか。戦争経験がその原点になったようです。なんと広い視野、積極性の持ち主なのでしょう。
ここではとてもとても書き尽くせません。瀬戸内寂聴さんが、先生は死なない気がしていた、とNHKの電話取材でおっしゃっていましたが、まさにそんな感じでした。お会いしてお姿を見るだけでもありがたいと思える存在でした。世の中の高齢者に希望を与えてくださってありがとうございました。