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永瀬清子さんの自筆原稿を持参/吉備路文学館、夢二郷土美術館へ

昨日夕方、問い合わせていた吉備路文学館の館長さんからメールの返信をいただきました。
「今回の永瀬清子の書簡、原稿につきまして
ぜひ当館で収蔵させていただきたいと存じます。
現在、永瀬清子を含む詩人展を開催しているところです。
ご寄贈いただき次第、すぐにでも展示させていただければと
存じます。」
とのこと。早速、夫と持参しました。


永瀬清子さんの自筆原稿を持参/吉備路文学館、夢二郷土美術館へ_d0031853_21404657.jpgJR岡山駅から線路沿いに北へ、踏切のあるところを東へ。このあたりは戦災にも遭わず、しっとりとした町並み。左手が吉備路文学館、右手奥の古い長屋?が、昔あの柴田錬三郎が岡山二中(現・操山高校)へ通うときに下宿していた家だと聞きました。
ここは午前中が東行き、午後が西行きの変則的な一方通行です。


永瀬清子さんの自筆原稿を持参/吉備路文学館、夢二郷土美術館へ_d0031853_21462089.jpg吉備路文学館は、もと江戸時代の池田家の藩士の屋敷だったそうで、中国銀行が企業メセナとして運営していると聞きます。建物の周りはその時代の日本庭園が残っていて素敵です。
駐車スペースは8台分くらい。
永瀬清子さんのご自宅にも近く、永瀬さんはここの設立にも尽力されたそうです。


永瀬清子さんの自筆原稿を持参/吉備路文学館、夢二郷土美術館へ_d0031853_2150143.jpg館長の千田さんが持参した書簡を見てくださっているところ。永瀬さんと知り合ったいきさつや書簡のやり取りのいきさつをご説明しました。
 すると、永瀬さんは、あの宮沢賢治の詩の価値を認め、世に出した功労者だと教えてくださいました。それで、あの「雨ニモ負ケズ」の詩の書かれた手帖を発見した場にいらしたのだなと思いました。


「ご寄贈品受領書」と・・・      備前焼のビヤマグをお礼にいただきました。
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お話をしたのは、お庭に面したこの↓応接セット。
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館長さんのお話によると、いろんな著名人が「私の好きな庭」を紹介するというNHKの企画があったとき、銀閣寺だとか著名な庭が並ぶ中、女優の吉行和子さんが、ここの庭が好きだと言ってくださり、ロケ隊が東京から来たそうです。そのカメラマンがなんと岡山朝日高校の卒業生で、ここのすぐ横を通って通学していたのだとか。左手池の奥が座っていた場所。泉水はすぐそばの西川の水を引き入れていて、現代だとそんなことは許されないのに、むかしからだということで、年間300円(笑)の取水料金を払っているそうです。
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永瀬清子さんの自筆原稿を持参/吉備路文学館、夢二郷土美術館へ_d0031853_7462442.jpg文学館の建物の周りには、小路が作ってあってお庭の続きから1周できました。小道の向こうは西川の流れ、静かで、いい感じでした。

永瀬清子さんの自筆原稿を持参/吉備路文学館、夢二郷土美術館へ_d0031853_22151488.jpg「来月からは薄田泣菫の展覧会があるのでその準備で忙しい」とのこと。夫が、泣菫の次女に英語を教わったのと、倉敷市連島の生家が先ごろ市に買い取られ保存されることになったということで親しみがありますので、興味深かったのでした。
泣菫が大阪の毎日新聞社にいるころ、編集者として芥川龍之介、谷崎潤一郎たちからもらった書簡を、お孫さんがもっていたとのことで、その巻紙に毛筆で書いた書簡を額に入れているところでした。思わぬことで芥川の自筆の手紙を拝見しました。昔の手紙は皆さん達筆で毛筆ですから、額に入れても映えます。これがメールの時代になると・・・無理でしょうね。
それにしてもさすが館長さん、達筆の手紙をすらすらと読み下されて・・・

文学館を辞去して、お食事に倉敷にもある「キャナリー・ロウ」へ。建物の前庭も、ドアの取っ手も、内部のインテリアも、店員さんの服装も、メニューも一緒。これではせっかく岡山に来て食べる意味がなさそう。。。ピザとサラダバーとドリンクバーで1380円のセット。


永瀬清子さんの自筆原稿を持参/吉備路文学館、夢二郷土美術館へ_d0031853_22265541.jpgそれから、文学づいて、後楽園の川向こうにある竹久夢二郷土美術館へ。
左手は旭川と、その向こうが後楽園です。この右手手前が駐車場で、15台くらい置けるでしょう。


永瀬清子さんの自筆原稿を持参/吉備路文学館、夢二郷土美術館へ_d0031853_22302541.jpg竹久夢二といえば、おばあちゃんの年代のアイドル、だから年配女性が多いかな、と思ったら、なんと、若い人が大勢行っていました。
「2時から絵を基にしたクイズなどのワークショップがありますからいかがですか」との呼びかけに応えて、5,6人が参加。10枚くらいの夢路の絵の中の1枚を1人が選び、○×式問題を残りの人が3回出し、その絵を絞り込むというゲーム。数学的?確率の問題かも。私が一番楽しんだみたい。


永瀬清子さんの自筆原稿を持参/吉備路文学館、夢二郷土美術館へ_d0031853_22433520.jpg実はこの日の新聞に、喫茶コーナーができたこと、名物のお菓子ができたというので、興味があったので食べてみました。
永瀬清子さんの自筆原稿を持参/吉備路文学館、夢二郷土美術館へ_d0031853_22384562.jpg夢二がお客をもてなすのによく好んで出していたガリバルジというお菓子を、源吉兆庵に頼んで再現してもらったというもの。和菓子屋さんに洋菓子を頼み、しかも生産ラインがあるわけでなく手作りなので、数が作れないそうです。思ったより小さくて、ラム酒に漬けたレーズンがはさんであるビスケットという感じのお菓子です。紅茶とセットで300円。カウンターの中のシニア女性がとても感じよかったです。

by kurashiki-keiko | 2006-08-26 22:00 | おでかけ | Comments(8)

Commented by macky_work at 2006-08-27 13:28
すばらしいご縁があったのですね。
しかも、こうして多くの皆さんに公開されることになるなんて。
吉備路文学館、まだ行ったことがないのですが、お庭にも惹かれるもの
があるし、今度ゆっくり行ってみます。
そして、永瀬清子さんの書簡にも出合えることを楽しみにしています。
Commented by tomochi112 at 2006-08-27 18:02
一方通行の懐かしい道!以前はよく通っていた所です。
早速、吉備路文学館へ行って来ました。
受付で「永瀬清子さんの自筆原稿を見たい。」と話すと、わざわざ館長さんが出てこられ
『原稿は燻蒸してから展示します。』と、丁寧にお話してくださいました。
一週間くらいかかるようです。あわてん坊でお恥ずかしい(^^ゞポリポリ
感じの良いお二人に気をよくしてして『では、又来ます。』と、お庭を眺めて帰りました。
岡山の近代詩人7人展は10/9迄、来月行こうと思っています。

余談ですが、源吉兆庵では文化人の生誕記念菓子を販売しています。
9月生まれの竹久夢二が好んだのは干しぶどう入りの焼き菓子だったのね。
Commented by myobento at 2006-08-27 20:50
よいご縁があって、よかったですね。すすきだきゅうきん(漢字が変換できませんでした・・・)懐かしい。中学校の教科書に詩が出ていて、とても好きでした。名前も不思議でよく覚えています。
ガリバルディというのは、イタリア独立戦争の闘士の名前ですね。彼とこのお菓子はどんな縁があるんでしょうか??
Commented by tomochi112 at 2006-08-27 21:50
この場をお借りしてmyobentoさんへ
夢二は紅茶を好み友人たちを焼き菓子でもてなしたと言います。
ガリバルジィ=(夢二が好んだ)干しぶどう入りの焼き菓子
ガリバルディ=イタリア独立戦争の闘士の名前 ではないでしょうか?
違ったらゴメンナサイ。
Commented by kurashiki-keiko at 2006-08-28 10:50
macky_work様、コメントありがとうございます。たまたまいただいた手紙に原稿用紙に書かれた詩があり、しかも「アウシュビッツ展に寄せて」という、彼女の考え方をとてもよくあらわされている内容だったので、すぐ展示、という運びになって、よかったなあと思っています。ぜひ実物をご覧下さい。
Commented by kurashiki-keiko at 2006-08-28 10:53
tomochi様、なじみ深い場所のようで、早速行かれたのに原稿をごらんいただけなくて残念でした。しかし、ちゃんと虫がつかないように燻蒸去れるんですね。さすが、一つ勉強しました。
Commented by kurashiki-keiko at 2006-08-28 10:55
myobento様、薄田泣菫の名前をおぼえていらっしゃるなんて、すごいです。tomochi様の言うとおり、私の表記の仕方が違っていたかもしれません。干しブドウ入りの焼き菓子のほうです。
Commented by yochy.1962 at 2006-09-04 18:09
はじめまして。私のブログに遊びに来ていただき、ありがとうございます。
恥ずかしながら、永瀬清子という方は存じ上げませんでした。いや、どこかで触れていても、名前を覚えていないだけかもしれません。
しかし、とてもいいお話を知ることが出来ました。ありがとうございます。
ちなみに源吉兆庵の、ぶどうをぎゅうひで巻いたお菓子、絶品ですねー。私のブログでも偶然紹介していました。
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