母のエッセイから なつかしいおやつ

「みんなの雑記帳」に掲載の母のエッセイ。

 ケンビキ焼き

梅雨が来ると思い出す、懐かしい母の味が今も舌に残っている。
米粉のお団子をみょうがの葉っぱで包んで、ほうらくをおくどに乗せて焼いた、ケンビキ焼きである。
ケンビキと言うのがどんな字なのか、その意味も良く知らなかった。
 備中生まれの母の田舎では、近所中で揃って田植えをしていたので、
田植えが終わった頃に、このケンビキ焼きを作って慰労したらしい。
 私が幼かった頃は、おやつは原則的に手作りだった。庭でみょうがの葉っぱを
子供たちが摘んでくると、母がおくどに火を起こして、米粉を
こねて餡を包み、みょうがの葉っぱを巻く。おくどにほうらくを乗せて
熱くなったら、次々にお団子を並べて乗せる。良い香りが出てきたら、
裏返して焼く。子供たちは焼けるのを待ち構えてフゥフゥ熱いお団子を吹きながら食べる。
昔の台所の風景を思い出すと唾が出てきた。
 晩年の母に一度だけ、フライパンで焼いて届けたら、懐かしそうに、
大変喜んでくれた。「少し違うけど、美味しい!」と言ってくれた。
田舎の家の庭には、普通にみょうがが植えられていたので、容易に手に入った葉っぱだが、
庭のない集合住宅に住む現在は、みょうがの葉っぱを入手する事も困難である。
ケンビキとは、疲れる事らしい。


・・・私も、この祖母の作る水羊羹などを夏休みに行って食べさせてもらったことがあり、母親手作りのおやつで育った母の子供時代の、フーフー言いながらお団子を食べる様子は、本当に目に見えるようで暖かないい風景だと思いました。
こちらにケンビキ焼きが載っていました。http://www.pref.okayama.jp/bichu/kura-fukyu/syokutokurasi/pages_ryori/17-2.htm 私も友の会で教わったおかげで、子供の小さい頃は出来るだけ手作りおやつを心がけてきました。忙しくなるとなかなかそんなわけにも行かないのですが、今の子供たちにも、お母さん手作りの素朴なおやつを食べる機会を出来るだけ作ってやりたいものだと思います。
なお、ケンビキの母の解釈は間違っていて、首筋から肩甲骨あたりへ伸びる筋肉のことではないかと思います。昔座禅を組んだときに、あの「キョウサク」と言う平べったい棒でたたかれたときに僧から「ケンビキをたたくからそれほど痛くない」と教わったことがありました。
[PR]

by kurashiki-keiko | 2009-07-04 17:50 | 外食 | Comments(6)

Commented by saheizi-inokori at 2009-07-06 08:58
長野で云えばおやきかな。無性に懐かしい。あの味と言うよりも母と共有した空間が。
Commented by kurashiki-keiko at 2009-07-06 15:28
saheizi-inokori様、長野出身ですか。野沢菜などのおやきなんてほんとに素朴で美味しいですよね。そしてそれを作っているお母さんの姿も思い出され、味わい深いです。
この今年80歳になった母の思いでの記、私の幼い記憶とも重なってなんとも懐かしい風景です。
Commented by yoas23 at 2009-07-07 09:02
手作りのおやつは特別の思いがあって美味しいものですね。
もちろん無添加、無着色ですから安心ですし・・・
みょうがの葉に米の粉の団子・・・
沖縄では同じショウガ科のゲットウで作る餅がありますが、
葉の香りが移って餅自体が良い香りがします。
それと同じのようなものでしょうか・・・
懐かしい味は時々無性に食べたくなるものですね。
Commented by miyakeoriibu at 2009-07-07 20:29
こんばんは!
↓お母さまのお元気なご様子を知り、嬉しく思いました。
倉敷まで講座を受けにおいでになっておられるのですね。
この年齢でなかなか出来ることではないと思います。
考えようではお一人住まいがいいのかも・・・・・・・。

私が子どものころはこのほうろく(私はこう言っていました)で流し焼きを作ってもらっていました。今で言うとホットケーキですね。

昨日はお訪ねくださってありがとうございました。
基礎を丁寧に教えていただいたので、デジブックもある人のブログを見て、考えて作ることが出来ました。
Commented by kurashiki-keiko at 2009-07-08 03:29
yoas様、なるほど、みょうがの葉で包むと言うのは、香りが移っていいのかもしれません。私自身は食べたことがないのですが、母方の祖母の手作りおやつを食べたときの場面を思い出し、味とともに母が懐かしがるのを読んで、わが子たちは何を懐かしがってくれるのだろうかとちょっと思いました。
Commented by kurashiki-keiko at 2009-07-08 03:32
miyakeoriibu様、実母は今年80歳ですが、マンションに1人住まい、車を運転しては好きな文学講座やら音楽会に出かける日常で、弟夫婦と同居していないから自立して気ままな暮らしなのでしょう。
ブログのうちで色々な人から学び応用していらっしゃるのでとてもよいことだと思いました。
名前
URL
画像認証
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

<< 我が家の食事診断されて 母のエッセイから―偶然、うれしい会食 >>