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「お水取り」の思い出

 本日2月28日付朝日新聞の誌面に、昔のお水取りの写真の秘蔵写真が見つかったとのことで、6枚の戦前の奈良の東大寺二月堂のお水取りの写真が掲載されていました。
その写真を見て、約50年前の学生時代に私も拝見したことがあるのを思い出しました。

 当時のゼミの恩師のおかげで、有名な今は無き日吉館に泊り、3月12日の「おたいまつ」に始まる一連の行事を格子越しに拝見しました。
二月堂の回廊を大きなお松明を持った童子がゆっくりと登って行ったかと思うと、回廊のまわりを廻り、角のところに差し掛かるとわっさわっさと振られると、火の粉が雨のように降り注ぎました。受けると無病息災と言うので手を伸ばして私も大勢の人の中で同じように。
 真夜中、眠い目をこすり厚着をし、修行僧の様子を固唾をのんで見守りました。床をカタカタと踏み鳴らす「走りの行」や「韃靼」という板を踏み鳴らす動作を声明(しょうみょう)と共に繰り返す。「天上の1年は地上の百年に当たると言われていて、それを取り戻すように走る」と恩師に教えられてなるほど、と興味深く。
「お水取り」のお水を格子越しにひしゃくから手に受けて飲ませて頂いたのがクライマックスでした。真っ暗で寒かった二月堂の格子の向こうで動き回る僧たちの修行の様子、人生で稀有な経験だったことを、記事のおかげで思いだすことが出来ました。(写真は朝日新聞デジタルより)
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by kurashiki-keiko | 2018-02-28 09:06 | しみじみしたこと | Comments(0)

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