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母(姑)との関係

 このところ結婚以来と言っていいくらい、母との関係がよくなっています。信頼してもらっているのです。
 私も、88歳の母が出来る限り頑張っていてくれるからこそ、外へ出て行けるのだからといつも感謝しています。そう、母は昔から頑張り屋さんでした。私にはあの根性はとてもありません。母の苦労話を結婚以来たびたび事あるごとに聞かされてきたので、たぶん3人の子供たちよりも嫁の私が、母の生い立ちやらこれまでのことに一番くわしいのではと思います。戦争中をくぐり抜けてきたこの世代はどなたにもドラマがあるとは思いますが、母もまた、戦前戦中戦後、貧しい中を知恵と工夫で夫を支え、子供を立派に育て上げたお母さんであったと思います。
 
 母(姑)は女学校のころに母親がリューマチを発病し、看病の末に20代初めに死に別れ、生きる目標を失ったとき、恩師に相談したら、「立派な次世代を育てるのがあなたの使命です」といわれたのだとか、それで「そうだ、立派な男の子を育てたい」と思ったそうです。
 親類の世話で見合い話しを持って来られたときは自分で聞き合わせに行ったら、「あの立派なお父さんの息子なら大丈夫だ」という話を聞いて結婚したそうです。
 その夫は、知り合いに誘われて会社を創業することになり、貸し工場での製造業を立ち上げ。 創業期の会社の貧乏な生活の中でも、お砂糖を使えば小銭をためて次のお砂糖を買うという風にしたりする小さな工夫や、玄関先で貸し本屋を高校生向けにするなどして家計を助けながら立派に息子2人と娘1人を育て上げ、今では楽隠居、のはずなのですが、それでもおいそれとエアコンのスイッチを入れることもせず、「自分は遊んどる身だからもったいない」とか「身についた倹約が離れない」とか言っております。
  最近は記憶力がだいぶ落ちてきましたが、判断力はなかなか大したものですから、私に世話になるたびに「製造元にお礼を言っておいたわ」と、実家の母に感謝の電話を何度もしたそうです。実家の母も娘をほめられるのですから、それが5度も6度もになっても、「暇にしているんだから何度でもかまわないけど」といいながら受けてくれています。 

 母(姑)の近頃の心がけは、出来るだけ散歩の途中で出合った人と話しをすること。知り合った人から花の苗やら野菜やらをいただいて帰ることもしょっちゅう。人とのふれあいが何より大切だといいます。昔はこんな人間ではなかったのだそうですが、今の2世帯住宅に越してきてからは、出来るだけ周囲にお友達を作りたい、と努力しています。
 頭のトレーニングも、散歩の道すがらの表札を1軒ずつ覚えて歩くのだそうです。また、もともと理科系なのか、簡単な計算問題を解くのが楽しいそうです。
 疲れると午後はよくごろんと寝ておりますが、夜、10時ごろから、我が家の裏の道で「トレーニング」と称して声高く「1,2,1,2」と掛け声をかけながら往復しています。道に面した家にはご迷惑かもしれませんし、たまに泊まった娘が座敷に寝ていてそのかけ声にびっくりしていましたが、本人は「昼間だと出来ないような、足を高く上げて歩く訓練をしているの」ということで、「この場所ならたとえ倒れてもすぐ発見してもらえる」からだそうです。いやはや、やる気と元気のあるおばあちゃんです。
 
 役所などからのわからない書類だとか、冷凍食品の賞味期限だとかわからないことは私に聞きに来ては、「アンタが頼りだからよろしく頼むよ」とよく言われます。

 今にして思えば、結婚当初から、「いずれはあんたの世話になるからよろしくね」「嫁の世話にはならん、という人もいるけど絶対世話にならんなんてことは出来ないからそのときはよろしく」と、早々といわれたことを思い出します。今その通りになってみて、いきなり、ではなく少しずつトシや経験を重ねてきたのが無駄にはなってないこと、いろんな人生の経験を教えてもらったことを感謝しています。
 いつまでも出来る限り元気でいてねと言いたいこのごろです。

by kurashiki-keiko | 2007-09-12 13:40 | しみじみしたこと | Comments(1)

Commented by タック at 2007-09-13 21:23 x
いやー、ホントにお世話になっています。
お世話になっているから、我々は遠方でのうのうとやっていけるのです。
ブログには聞いたことがない話がいろいろありました。
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