尾道の「文学のこみち」を歩く
2007年 11月 25日
11月25日(日)、気温17℃、紅葉狩りには最後の休日(と思う)。高速道路を使っての行程約70km、高速料金倉敷―福山西インターで1,600円。尾道へは行くのも帰るのも町の手前のところがちょっと間違いやすいので、カーナビがある人は是非頼ったほうがいいです。行きはしまなみ海道へ入るかと思うところをもう1本左にとって尾道方面へ入りますし、帰りはまた高速への分岐点がとても分かりにくいのです。最近70代男性による逆走事故が岡山で続けざまに2件ありましたが、高速道ではアッと思うと過ぎていたりしますので、カーナビ様様です。
途中の福山西サービスエリアでは菊花展なども催されていて、秋だなあと思ったりしました。
以下、紙芝居風に写真でたどる尾道の風景と説明です。
いつもの、尾道市役所西の市営駐車場から歩きました。
駐車場から東へ歩き、北へ入ったコイン駐車場のさらに北へ。
和食の店「青柳」のメニュー
「あさなぎコース 4,200円」・・・・(ちと お高い。。。)
突き出し?はくらげと生わかめの おこぜのから揚げ。ねぎを盛って
酢の物、炊き合わせ。 いるかごはこぶを編んだものなので食べられます。
変わり茶碗蒸し。お餅が入って
います。夫はこの代わりに焼き
物で、カンパチのカマのところでした。 うにご飯と味噌汁。
「青柳」外観。
商店街をしばらく歩きます。
ペットshopでは小鳥の前に人がたかっていました。私は向かって左のうさぎ2羽、3,500円に目がいきました。
いつ来ても行列が出来ている有名?尾道ラーメンの店。この店とは反対側に曲がると、
ガード下をくぐり、ロープウエイ乗り場のほうに行けます。
大人1人片道440円なり。「往復」を買って乗り込むと、ゴンドラの中はほぼ満員。3分の1くらい上がったところで、「鳩が架線に止まっているので徐行します」とのアナウンス。のどかだなあ。
で、帰りは歩いて降りるという人の話を聞いてなるほど、と思い、帰りの切符を諦めて歩いて降りようということに。
桜のもみじが美しい売店前。ここで、ご当地アイスを食べました。
みかんソフトです。風景を見ながらおいしく頂きました。みかんの味のするソフトクリーム。250円。
歩いてこの道を降りました。文学のこみちへ。
正岡子規
「のどかさや
小山つづきに塔ふたつ」
『東海道中膝栗毛』の作者十辺舎一九
「日のかげは青海
原を照らしつつ
光る 孔雀の
尾道の沖」
言語学者 金田一京助
「かげとも(山陽道の古語)の
をのみちのやどの
こよなきに
たびのつかれを
わすれていこへり」
志賀直哉
「六時になると 上の千光寺で時の鐘をつく。
ごーんとなると直ぐゴーンと反響が一つ。
又一つ、又一つ、それが遠くから帰ってくる。
其頃から昼間は向島の山と山との間に一寸顔を見せている百貫島の灯台が光りだす。
それがピカリと光って又消える。
造船所の銅を溶かしたような火が水に映り出す。
(暗夜航路より)
林芙美子
「海が見えた。海が見える。五年振りに見る尾道の海はなつかしい。汽車が尾道の海にさしかかると、煤けた小さい町の屋根が提灯のように、広がって来る。赤い千光寺の塔が見える。山は爽やかな若葉だ。緑色の海向こうにドックの赤い船が、帆柱を空に突き刺している。私は涙があふれていた。」(放浪記より)
緒方洪庵
「軒しげく たてる家居よ
あしびきの
山のおのみち 道せまきまで」
緒方洪庵は岡山市足守出身の蘭方医
巌谷小波(いわや さざなみ)
「大屋根は みな寺にして
風薫る」
(児童文学者)
坂を下りると山の端の岩盤に沿って、山口誓子と柳原白蓮の句が。
山口誓子
「寒暁に 鳴る指弾せし かの鐘か」
柳原白蓮(やなぎはら びゃくれん)
「ちヽ母の 声かと聞こゆ 瀬戸海に
み寺の鐘の なりひびくとき」
千光寺から見下ろす尾道水道は、秋の澄んだ空気でとてもきれいに見えました。
パノラマです。
降りがけの道のそばにある摩崖仏。
アララギ派の歌人中村憲吉終焉の地。
くずれかけた築地塀もなかなか歴史を感じさせていい感じです。
JRの線路が見えてきました。
by kurashiki-keiko | 2007-11-25 21:55 | おでかけ | Comments(6)
リッチな昼食と文学のこみち、体も心も満ち足りたことでしょう。
碑文を全部書き添えていただきよくわかりました。
有難うございました。