東京混声合唱団 倉敷公演
2009年 04月 28日
日本で唯一のプロの混声合唱団、東京混声合唱団の倉敷公演を聴きに行きました。
最初指揮者の大谷研二氏がピアニストと手に手を取っての登場に??でしたが、なんと、交通事故で入院されていて、退院後初の公演と知り、一堂拍手。椅子に座っての指揮だったり、杖を突いての演奏の解説だったりしました。
三善晃作曲・谷川俊太郎詩の混声合唱曲集「木とともに 人とともに」 Ⅰ.木とともに 人とともに で幕開け。
Ⅱステージは追分節考―シアターピース―で、普通考える合唱の配置とは違い、男性が客席の両側に陣取り、女性がなにやらつぶやきながら1人ずつステージ上にばらばらに登場、指揮者がひらがなの書かれたうちわを立てるのが合図なのか、歌が始まり、男性のソリストが客席通路を歩き回る、その近くで聞く声の迫力に圧倒される。一人ひとりがソリストの実力のある団体のすばらしさを、客席最後列にいながらすぐそばを通過してくれるので味わう事ができました。
Ⅲステージは西村朗作曲、高村光太郎詩の混声合唱とピアノのための組曲「レモン哀歌」 Ⅰ.千鳥と遊ぶ千恵子 Ⅱ.山麓の二人 Ⅲ.レモン哀歌 有名な千恵子抄を作曲家はこんな風に解釈し音楽に構成するものか、と思いながら鑑賞。暗誦できるほどに好きなレモン哀歌は特に、動と静の対比が際立つ表現でなるほどと思う。
Ⅳステージは東京混声合唱団愛唱曲より、これがまた、オーストラリアの コンダリラ「滝の精」ではまるで森の中にいるように自然に溶け込んだかのような音楽。続いてはインドネシアのガムランを合唱曲にしたという、歌詞のない、合奏のような音楽。それから唯一私が題名として知っていた「死んだ男の残したものは」、それから最後にディズニー映画「南部の唄」より「ジッパ・ディー・ドゥー・ダー」は譜面を片付けて手拍子で楽しく。
アンコールはベートーベンの第9の歓喜の歌のゴスペル風バージョンで、アルトのすばらしいソロから入る。所々ソロが入り楽しく手拍子。
合唱団というからひな壇に立って指揮者が前に立って、と言うスタイルを思っていたら大間違い、なんとも多彩な構成の飽きさせない2時間を堪能しました。
合唱団の人からチケットを斡旋してもらうとき、夫に「行く気ある?」と聞くと行くというので2枚購入。
しかし夫は音楽とは普段無縁なのでちょっと心配。
当日の開場は6時半というのに夫の帰宅が6時で、あわてて夕食を食べて自転車で行くつもりが寒いのでやっぱり横着して車に。自転車でいける範囲にそういうホールがあるということ自体とてもありがたいことなのですがね。私はスーツにコサージュとイヤリングをつけて盛装していくつもりだったのに夫は普段着にジャンパーとなんともアンバランスになったので、せめて最近買ったカシミヤのジャケットにしてもらう。
ところが、会場近くに行って見ると、昔と違い皆さん本当にカジュアルな服装でこちらがびっくり。合唱団だから?学生が多いのかな?
会場到着は開場から10分ほど経った6時40分ごろ、地下駐車場は満車ではなく「空」でホッとして入ると結構空きがなく場内をうろうろ。やっと止めてホールに急ぐ。会場は合唱団なんてあまり入ってないかと思いきや、800席がほぼ満席で空いたところを探してうろうろ。友の会の友達がいたのでやあやあと挨拶。やっと最後列の通路から一番遠い真ん中あたりの席を見つけ、膝を譲ってもらいながら席に着くと、なんと合唱団の仲間たちがすぐ前の列にずらりと座っていてびっくり。なんとも嬉しい出会い。
夫が居眠りくらいならいいけれど、毎度お馴染みのものすごくおおきなくしゃみをするのではないかと内心ひやひや。あんな大きなくしゃみをされた日には会場中からひんしゅくを買うわ。しかし心配したほどのことはなく、夫もプロのうまさに感動しつつ聞いてくれてよかった。
by kurashiki-keiko | 2009-04-28 00:06 | 合唱団 | Comments(2)
楽しい演出と演目でさすがはといった感じですね。こういう構成もプロならではです。
合唱人口は不景気になるほど上がるという統計を出した人がいます。満席なのはそのせい?もちろん東京混声の実力と人気の高さであるということですが。
さすが一人ひとりがプロの集団だから迫力もあったし正確な音感があるから一体感もすばらしかったです。
合唱人口が不景気だと上がるとは初耳ですが、私は合唱団メンバーとしての興味もあって行ったので。でもあんなに席が埋まっていたのを見てびっくりでした。合唱人口が増えるといいと思います。